≪建物について≫

今や宮城を代表し、鳴子が誇る古民家専門移築・建築を手掛ける工務店、古遊工房さんを通じて山形・飯豊町(いいでまち)の古い納屋にめぐりあったのが2017年晩秋。
豪雪地帯、回りには雪の重さで潰れた小屋が点在するなか、その小さな小屋はありました。
山の奥ながら田畑のあとがあるエリア、農機具を格納するため、かかさず除雪をして守ってこられましたが、いよいよ最後に使われていた方が田んぼをやめるので小屋が不要に。

それでも持ち主の伊藤さんはくぬぎ、ナラ、栗、などなど、材にこだわって作られた築約130年余りのその小屋を壊してしまうのは忍びなく、誰か使ってくれる方が居ないか?とあちこち調べて古遊工房さんへ連絡をくださることに。

実際に建ててくださったのは同じく鳴子の湯山工務店さん。
骨組みを生かし、宮城産の新材と組合せて頑丈に、シンプルに組んでくださっています。

くしくもこの店のテーマが「これまでのリソースを今の視点でこれからの時代に向けて紡いでいく」なので、古いものと新しいものが組み合わさった建物はまさに象徴するものになりました。

この素晴らしい偶然のきっかけを作って下さった古遊工房・遊佐ご夫妻、私の拙い思いを十二分に汲んで下さり、計画ののち建ててくださった湯山親子のご両家にこの場を借りてあらためて御礼申し上げます。